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半月板損傷の専門的治療について

[2026.04.11]

半月板損傷は、変性断裂新鮮断裂の2つに大別されます。変性断裂は加齢や変形性膝関節症に伴って生じるもので、新鮮断裂はスポーツ動作などの大きな負荷によって生じます。

半月板損傷の治療方針:保存療法と手術療法

半月板損傷と診断されても、痛みやひっかかり感などの症状が比較的軽度であれば、まずは手術を行わない保存療法を選択するのが一般的です。通常の保存療法では、ヒアルロン酸注射やリハビリテーションを行いながら経過を観察します。しかし、半月板の損傷形態によっては、治癒を促進するためにPRP注射(多血小板血漿療法)を併用した保存療法をご提案する場合もあります。

手術が検討されるケース

以下の症状が見られる場合は、早期の手術を検討する必要があります。

  • 半月板の機能が著しく低下している断裂
  • 膝が特定の角度で固定されて動かなくなるロッキング現象がある
  • 適切な保存療法を継続しても痛みやひっかかりが改善しない

関節鏡を用いた半月板温存手術

かつて新鮮断裂に対しては「半月板切除術」が広く行われていましたが、切除は長期的に見て変形性膝関節症を進行させるリスクが非常に高いことが判明しています。そのため当院では、患者さまの将来的な膝の健康を考え、半月板を可能な限り温存する方針で手術を行っております。

精密な解剖学的修復を支える3つの手法

半月板の損傷部位や形態に応じて、以下の手法を使い分け、関節鏡を用いた解剖学的修復を行います。

outside-in法 関節の外側から針を通し、半月板の前節から中節を縫合する手法。
inside-out法 関節の中から外へ向かって針を出し、中節から後節を広範囲に縫合する手法。
all-inside法 関節内のみで操作を完結させる手法で、主に後角などの奥深い部位の縫合に適している。

先進的な術式「半月板制動術」への取り組み

半月板後根損傷などの変性断裂や、切除後などに生じる半月板逸脱(半月板が正しい位置から外に押し出される状態)は、従来の手法だけでは修復が困難でした。この状態を放置すると、軟骨損傷や変形性膝関節症が急速に進行してしまいます。

近年、この課題を解決するために開発されたのが半月板制動術です。この術式は東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)の整形外科膝グループが開発したもので、現在は世界的に普及しつつあります。当院の医師、安 宰成は、この術式の先駆者とともに長年にわたり研鑽を積んでまいりました。高い技術が要求される新しい術式ですが、当院では安心して治療を受けていただける体制を整えています。

手術症例の解説と実績

以下の画像は、当院で行っている様々な半月板損傷に対する手術の様子です。損傷の形態に合わせて、適切なデバイスと手法を選択し、精密な修復を行っています。

a: 縫合前の外側半月板前節断裂(点線部分)

b: outside-in法による外側半月板前節の縫合後

c: 処置前の円板状外側半月板

d: 円板状外側半月板を形成し、inside-out法で縫合した様子

e: 内側半月板後角での放射状断裂に対し、all-inside法で縫合

f: 内側半月板の逸脱を確認(術前)

g: 骨内に糸を固定し、半月板の外側に縫合糸を誘導する工程

h: 半月板制動術の後、逸脱が改善している様子

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